事件通報の女性を警官が射殺、経緯明かさず 米ミネソタ州
(CNN) 米ミネソタ州ミネアポリスでこのほど、自宅近くで起きた騒ぎについて警察に通報した女性が、駆けつけた警官に射殺される事件が発生した。事件は米国内でも女性の出身国のオーストラリアでも大きく報道され、婚約者の男性は17日に記者会見して、女性が撃たれた経緯を明らかにしてほしいと涙ながらに訴えた。
死亡したのはミネアポリス在住のジャスティン・ルースチェックさん。婚約者のダン・ダモンドさんによると、ルースチェックさんは15日夜、自宅近くの裏通りで性的暴行事件が起きた可能性があるとして、緊急通報ダイヤルの911番に電話した。
ところが駆けつけたミネアポリス警察の警官が、ルースチェックさんを銃で撃って死亡させた。検視の結果、腹部に浴びた銃弾が致命傷となっていたことが分かった。
ミネアポリス警察はこれまでのところ、警官がルースチェックさんを銃撃した理由や経緯を明らかにしていない。
「悲しいことに、警察が到着した後に何が起きたのか、捜査当局からは家族にも私にも、ほとんど何の説明もない」。ダモンドさんは取り乱しそうになるのをこらえ、涙ながらにそう語った。
ルースチェックさんは2014年4月にオーストラリアから渡米。8月にダモンドさんと結婚式を挙げる予定だった。
ミネアポリス警察によると、事件に関与した警察官2人は休職扱いとなっている。このうちの1人、モハメド・ヌーア警察官は弁護士を通じて遺族に哀悼の意を表す談話を発表。事件の経緯についてはいずれ証言したいと思っているが、現時点では調査が行われていることを理由に、家族のプライバシーを尊重したいとコメントした。