米国務長官、特使ポスト一部廃止の方針 気候変動担当など
ワシントン(CNN) 米国のティラーソン国務長官が、国務省内に設けられている特使ポストの半数以上を廃止または格下げする方針であることが29日までに分かった。ティラーソン氏が上院外交委員会のコーカー委員長に送付した書簡をCNNが入手した。
同氏は書簡で、一部の特使や特別代表の任務はそれぞれの地域や問題を担当する部署に統合し、すでに当初の目的を果たしたポストについては廃止するべきだと主張している。
70近い特使ポストのうち、廃止または格下げされるのは三十数件。具体的には気候変動問題やシリア、スーダンと南スーダン、北極圏などの問題を扱う特使を廃止する。中東和平や対アフガン政策を扱うポストなども既存の担当部署に統合するという。
ティラーソン氏は2月の就任直後、トランプ政権が国務省予算の最大3割の削減を発表する前の時点から、省内改革への意欲を示していた。特使廃止はその実現に向けた具体策のひとつと位置付けられる。同氏は「むだを排除することが国家安全保障の強化につながる」と主張する。
コーカー氏も28日、特使の数は増えすぎているとして、ティラーソン氏の方針に支持を表明した。
ティラーソン氏は7月の議会公聴会で特使ポストの削減を提案したが、野党・民主党の議員からは「特使にはそれぞれ置かれた理由がある」と反論する声が上がっていた。