トランプ氏、反イスラム動画をリツイート 英極右団体幹部の投稿
(CNN) トランプ米大統領は29日朝、英極右団体幹部がツイッターのアカウントに投稿した反イスラム教徒的な内容の扇動的な動画3件をリツイート(転載)した。英国では直後から反発の声が上がり、英政府は米国に対し異例の批判を行った。
トランプ氏がリツイートした動画は、英極右団体「ブリテン・ファースト(英国優先)」のジェイダ・フランセン副代表が投稿したもの。動画には、イスラム教徒が人々を襲撃する場面とされる光景が収められているほか、聖母マリア像を破壊する様子をとらえた動画もある。
トランプ氏はかねて、イスラム教徒が多数を占める国からの移民が欧米の安全保障を脅かしていると警告しており、自らが好む政治的見解を示した投稿をリツイートすることも多い。ただ、今回ほど攻撃的で物議を醸す内容の投稿を共有するのは異例だ。
これを受け、フランセン氏はインターネット上で歓喜の反応を示し、一連の動画がトランプ氏のフォロワー4400万人近くに共有されたことを称賛。大文字で「トランプ氏に神のご加護を」と書き込んだ。
ホワイトハウスのサンダース報道官はトランプ氏のリツイートを擁護。記者団に対し、トランプ氏が一連の動画を共有した背景には、国境警備や移民についての議論を喚起する狙いがあったと主張した。
また、「こうした脅威は実在する」として、一連の動画の信ぴょう性について疑問を呈する声を重視しない姿勢も示した。
一方、メイ英首相の報道官は同日、トランプ氏が一連の動画を共有したのは「間違っている」と言及。そのうえでブリテン・ファーストについて、「うそを流布して緊張をあおるような憎しみに満ちた表現の使用を通じ、地域社会の分断を図っている」と述べた。