米下院情報委の共和党、ロシア疑惑の調査打ち切り 「共謀なし」の結論
(CNN) ロシアによる米大統領選介入疑惑を調べていた米下院情報特別委員会の共和党メンバーは12日、ロシアとトランプ陣営が結託していた証拠は見つからなかったとして調査打ち切りを表明した。民主党の委員はこれに強く反発している。
同委員会で調査を主導していた共和党のマイク・コナウェイ議員は、ロシア疑惑にかかわる聞き取りが完了したと発表。共和党の委員が作成した150ページの報告書案を、13日朝に民主党委員に提示すると述べた。
コナウェイ氏らは、ロシアが混乱を招く目的で大統領選に介入したことを認める一方、トランプ氏に肩入れしようとした形跡はないと主張。トランプ陣営のメンバーとロシア関係者との「不適切な会合」は「判断ミス」か、「偶然同じビルに居合わせた」だけだとする見解を示した。
ロシアがトランプ氏を支援するために介入したという米情報当局の結論とは、真っ向から対立する見解だ。
トランプ氏はツイッターに、同委員会の結論を大文字で書き込んだ。
これに対して民主党の委員らは、ロシア疑惑で呼ぶべき証人や入手するべき文書がまだ多数残っていると主張する。同委員会の民主党トップ、アダム・シフ議員は声明で、共和党側が「国を守ることより大統領を守るという利害を優先させた」と非難。「歴史はこの行為に厳しい審判を下すだろう」と述べた。
民主党委員は今後、共謀があったとする独自の報告書を作成し、委員会の調査から外れた対象を具体的に列挙する構え。この中にはトランプ氏の財務状況なども含まれる見通しだ。
上院では情報特別委員会と司法委員会が依然としてロシア疑惑の調査を進めている。