トランプ米政権、大統領選介入でロシアに制裁
ワシントン(CNN) トランプ米政権は15日、2016年米大統領選に介入を試みたとして、ロシアの5団体と19個人に制裁を科すと発表した。制裁対象となった個人の中には、大統領選介入疑惑を捜査するマラー特別検察官が先月起訴した者も含まれている。
トランプ政権は今回の制裁発動により、サイバー侵入に絡む報復措置をロシア政府に科すよう求めていた議会の要請についに応じた形だ。発動の遅れは、対ロシア制裁を科す意思がトランプ氏にあるのか疑念を招いていた。しかし今回の措置は、ロシアの選挙介入に対するトランプ氏からの最も厳しい制裁となっている。
トランプ政権は制裁発表に当たり、ロシアが米国のエネルギー網に侵入を試みていたことも公表。また、他の大規模なサイバー攻撃に関与した組織なども制裁対象になると明らかにした。
今回の制裁対象に含まれているのは、大統領選期間中に米国のソーシャルメディアで政治的な分断を図る投稿を行っていたロシア企業「インターネット・リサーチ・エージェンシー(IRA)」、ロシアのプーチン大統領と深いつながりを持ちIRAを資金面で支援するプリゴジン被告など。
プリゴジン被告は「プーチンの料理人」の異名で知られ、IRAへの関与に絡みマラー特別検察官が先に起訴していた。また、大統領選介入工作に関連してマラー氏が起訴していた他の13個人も制裁対象となった。
このほかロシア連邦保安局(FSB)とロシア軍参謀本部情報総局(GRU)の両情報機関や、その職員の一部も制裁対象となっている。