トランプ米大統領、「早急な」シリア撤兵に言及
ワシントン(CNN) トランプ米大統領は29日、オハイオ州で演説し、シリアから「早急に」米軍を撤収させる方針に言及した。米国防総省はこの数時間前、米軍が当面シリアにとどまることの必要性を強調していた。
トランプ氏は支持者を前にした演説の中で、米国は過激派「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」を撃退していると強調。シリアから早急に米軍を撤収させる考えを示したうえで、「あとは他者に任せよう」と述べた。
ISIS掃討作戦に詳しい米国防当局者は、トランプ氏が今回の発言で何を意味していたのかは不明だと述べた。米軍の現在の評価では、シリア国内で課題が山積みしている状況に触れ、今は撤収を考える時期ではないとしている。
この当局者は米軍撤収の妨げの一例として、ISISに加わった外国人戦闘員の処遇を挙げた。米国が支援する「シリア民主軍(SDF)」は現在、約400人の外国人戦闘員を拘束している。
また、シリアのアサド大統領の将来やロシア軍の駐留継続をめぐる米国の方針を決定する必要があるとも強調した。
同当局者によれば、政権高官はかねてシリア戦略の先行きを議論しており、米軍撤収に必要となる条件も話し合っている。ただ、トランプ氏は任意の時期に撤収を決断できるものの、現時点では軍司令官は撤収を勧告していないという。
トランプ氏の発言の数時間前には、国防総省のダナ・ホワイト報道官が記者団に、「暴力的な過激主義者を引き続き確実に撃退していくため依然として重要な仕事が残っている」と述べていた。