朝鮮戦争の戦死者200人の遺骨、北朝鮮から米国に返還へ
ワシントン(CNN) 朝鮮戦争で命を落とした米兵200人あまりの遺骨が、北朝鮮から米国に返還される見通しとなった。米当局者4人が明らかにした。
まだ日程は調整中だが、遺骨は数日中に返還される見通し。北朝鮮の対応が早ければ今週中に引き渡される可能性もあるという。
遺骨の返還は、トランプ大統領が12日に行った北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長との会談の成果の1つとして掲げていた。
米国防総省の推計によると、北朝鮮には今も最大で5300人の米兵の遺体が残る。朝鮮戦争で行方不明になったままの米兵は計7697人。戦闘機が撃墜されたり、地上戦で命を落としたり、捕虜収容所で死亡したりしたと思われる。
北朝鮮は今回返還予定の遺骨について、アジア人よりも西洋人の骨格に近いことから米兵と推定したと説明しているという。当局者によれば、朝鮮戦争で死亡した他国の兵士が含まれている可能性もある。
身分証や制服など、身元確認の手がかりになる遺品が含まれるかどうかは分かっていない。米軍は厳密なDNA鑑定を行った上で、遺族に連絡を取る方針。
実現した場合、遺骨は南北を隔てる非武装地帯で北朝鮮から国連の代表団に引き渡され、同地で式典を行って国連から米軍に返還される見通し。その後、ハワイにある軍の研究施設でDNA鑑定を行う。
当局者によれば、米政府が北朝鮮に特使を派遣して遺骨を直接引き取る可能性もあるという。