中南米系母子に「帰れ」「不法移民」 罵声浴びせる動画が拡散
(CNN) 米カリフォルニア州の自宅で庭仕事をしていた中南米系米国人の男性と母親に、通りかかった女性が「メキシコへ帰れ」と叫び、「不法移民」「強姦(ごうかん)犯」と罵声を浴びせた場面の動画が、インターネット上で拡散している。
米国生まれのIT技術者、エステバン・グスマンさんがCNNとのインタビューで語ったところによると、女性が母親に「メキシコへ帰れ」と叫ぶのを聞いて、グスマンさんは「何事だ」と声を掛けた。
それまで会ったことのない女性だったという。グスマンさんは自分が米国の市民であることを告げ、「なぜ私たちを嫌うのか」と尋ねた。すると女性は「メキシコ人だから」と答え、「大統領もみんな強姦犯だと言っている」などと言い放った。グスマンさんは「私は大統領が言うような人間ではない」と反論した。
この場面をグスマンさんの母親が撮影した。動画は25日にツイッターに投稿され、同日夜までに再生回数が200万を超えた。
トランプ大統領は2015年6月の出馬表明で、メキシコからの移民が薬物や犯罪を持ち込んでいると批判し、「やつらは強姦犯だ」と発言して物議を醸した。
グスマンさんは「『メキシコへ帰れ』と言ってもいいんだ、という風潮が少し強まっている気がする」「私はここに暮らしているし、家のローンもあるのに」と語り、「私は母のためだけでなく、怖くて意見を言えずにいる人たちみんなのためにも声を上げた」と胸を張った。