ピザ宅配中に拘束の男性が釈放、強制送還の手続き中止 NY

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不法移民であることを理由とした53日間の拘束状態から解放されたビヤビセンシオさん/Villavicencio Family Photo via AP

不法移民であることを理由とした53日間の拘束状態から解放されたビヤビセンシオさん/Villavicencio Family Photo via AP

(CNN) 米ニューヨーク市で、ピザ宅配のため軍の基地を訪れた男性が移民管理当局に引き渡され、強制送還されそうになっていた問題で、男性の弁護士は24日、当局による拘束が解かれたことを明らかにした。強制送還の手続きも停止されたという。

男性はニューヨーク市内のピザレストランに勤務していたパブロ・ビヤビセンシオさん(35)。ピザを届けるためにブルックリン地区にあるフォートハミルトン基地を訪れたところ、身元確認で強制送還令状が出ていることを確認した軍警察が入管当局に通報していた。

基地や移民税関捜査局(ICE)の発表によると、ビヤビセンシオさんは南米エクアドルからの不法移民だった。

ビヤビセンシオさんの強制送還に反対する支援団体は、ニューヨーク州南地区連邦地裁の判事が拘束や強制送還に対する暫定的な差し止め命令を出したと説明。24日夜にニュージャージー州にある更生施設からの退出を許されたビヤビセンシオさんは、生き生きとした様子で支援への感謝の言葉を述べると、涙ぐみそうになりながら「とても幸せです」と語った。

続けてスペイン語で「この国を愛しています。なぜなら私に家族を与えてくれた国だから。娘たちを与えてくれた国だから。けれども今の政権の不寛容と非礼には共感できない」と付け加えた。

支援団体に所属する弁護士は「ビヤビセンシオさん一家にようやく安堵(あんど)のときが訪れた。53日間に及ぶ悪夢からの解放だ。我々はこれからも一家に寄り添い、彼らが郷里と呼ぶ場所にとどまる権利を守るため戦い続ける」と述べた。

ビヤビセンシオさんは今年2月に永住権を申請していた。妻のチカさんは米国籍で、2人の間には米国で生まれた幼い2人の娘がいる。

ビヤビセンシオさんに犯罪歴はなく、上記の判事は不法移民であることを除けば「模範的な市民だ」との見解を示していた。

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