米でセクハラ被害届が激増、#MeToo運動の効果
(CNN) 雇用差別などを防止する米政府の独立機関「雇用機会均等委員会」(EEOC)は11日までに、性被害に声を上げ、被害者への連帯を示す「#MeToo運動」が広がって以降、職場での性的嫌がらせの申し立て件数が激増したと報告した。
EEOCの暫定数値によると、今年9月30日までの1年間では12%以上増えた。法的手段に訴えたのは41件で、前年同期比では50%増となった。
#MeToo運動は、米紙ニューヨーク・タイムズと米誌ニューヨーカーがハリウッドの著名プロデューサー、ハーベイ・ワインスタイン容疑者によるレイプ、性暴力やセクハラ行為の疑いを報じたことから急速に拡大。世界的にも拡散し、権力者らによるセクハラ告発が相次いだ。
タイムズ紙の最初の記事は1年前の10月5日に掲載されていた。
EEOCの公式サイトにあるセクハラ関連ページへのアクセス件数はこの1年間で倍増したという。
ただ、EEOCにこれまで寄せられた職場でのセクハラ被害の件数は実際の件数と比べ相当低めの水準とみられている。EEOCの2016年の報告書によると、被害者のうち最大で7割が雇い主に訴えていない現状が浮き彫りになっていた。