中ロがトランプ氏の携帯盗聴、トランプ氏は使用やめず 米紙
ワシントン(CNN) 米紙ニューヨーク・タイムズは24日、中国やロシアによる盗聴が指摘されているにもかかわらず、トランプ米大統領が携帯電話を使い続けていると報じた。複数の関係者の話として伝えた。
これによると、中国のスパイは「iPhone(アイフォーン)」でのトランプ氏の通話を盗聴している。また、側近は大統領に対し、ロシアのスパイも頻繁に盗聴を行っていると告げたという。
トランプ氏による携帯電話の使用をめぐっては、過去にも安全保障の専門家らが懸念を表明したことがある。CNNは4月、ケリー大統領首席補佐官の就任後にはホワイトハウスの交換台を通じて電話をかけることが増加したと報じたが、この時点では既に、携帯電話の使用が増え始めていた。
当局者は今回、トランプ氏がセキュリティーの確保されていない状態で通話し続けていることにいら立ちを募らせ、同紙を通じて警鐘を鳴らすに至ったという。
これらの当局者は、中国はトランプ氏について得た情報を使って通商紛争を有利に運ぼうとしていると指摘。米ブラックストーン・グループのスティーブン・シュワルツマン最高経営責任者(CEO)や、マカオに大規模投資を行ったラスベガスの実業家スティーブ・ウィン氏とのトランプ氏の会話に着目していたと明らかにした。
中国は一方で、自国のビジネス関係者を使い、トランプ氏の通話相手と親交のある人物に影響を与える試みも始めた。トランプ氏のもとに情報が届くようにする狙いだという。
ウィン氏の弁護士はタイムズ紙に、同氏は既に引退しておりコメントはないと言及。シュワルツマン氏の広報担当はCNNの取材に、両国の元首の要請で両国間の重要な課題で仲介役となれて嬉しい」と述べたが、携帯電話の使用に関する踏み込んだコメントはしなかった。