「刑務所内のポルノ禁止」に受刑者反発、撤回求め提訴 アイオワ州
(CNN) 米アイオワ州の刑務所で服役中の受刑者58人が、刑務所内のポルノ禁止を定めた新法を巡り、1人当たり2万5000ドル(約280万円)の損害賠償を求める訴訟を起こした。
州内の刑務所ではこれまで、受刑者が専用の「ポルノ読書室」でアダルト雑誌などを閲覧することが認められていた。
しかし刑務所内のわいせつ物を禁止する州法が7月に施行され、11月14日から実施される。訴状によると、実施されれば受刑者がヌード写真などのわいせつ物を受け取ったり所持したりすることができなくなる。
訴訟はフォートドッジ刑務所の受刑者58人が原告となって、10月に連邦地裁に起こした。新法は「宗教暴君」が「道徳」と偽って制定したものだと主張している。
原告側は、ヌードや自慰行為に不自然性はなく、わいせつ物の禁止は憲法で認められた権利を否定することによって受刑者に不利益をもたらすと主張。「次はファッションや水着や下着姿のモデルを禁止するのか」と問いかけている。
しかしアイオワ州矯正局の専門家が1月に地元紙に語ったところによると、受刑者のポルノ閲覧は刑務所にとっての負担が大きかった。
係員は受刑者に渡す前に郵便仕分け室で内容をチェックする必要があり、受刑者を閲覧室に連れて行く手間や、欠落しているページや禁制品がないかどうか検査する手間もかかるという。
原告となった受刑者はそれぞれ、30日までに350ドルの訴訟費用を支払うか、費用負担免除を申し立てる必要がある。裁判官はさらに、原告1人ひとりが自分の状況について個別に訴状を提出しなければ、訴えは退けると通告している。