ビザ発給待ち続けたイエメン人母、渡米し再会後に闘病の息子死去
(CNN) イエメン人の母親を持ち遺伝性疾患で闘病していた2歳の赤ちゃんが28日、米カリフォルニア州の病院で亡くなった。母親は米政権の入国禁止令で渡米できずにいたが、早期のビザ(査証)発行を願う嘆願が実り、息子が最期を迎える前に再会を果たすことができた。
米イスラム関係評議会(CAIR)によると、アブドラ・ハッサンちゃんはカリフォルニア州オークランドの病院で息を引き取った。
アブドラちゃんの母シャイマ・スウィラさんは、イエメン人の入国を制限する米政府の入国禁止令のため渡米できなかったが、先週、米国務省からビザを発給され、その後すぐにカリフォルニアに到着した。
アブドラちゃんは脳に遺伝性疾患があり、治療のため父親のアリ・ハッサン氏とともに10月1日に米国に入国した。アブドラちゃんとハッサン氏はともに米国市民だ。
ハッサン氏はトランプ大統領に、妻のスウィラさんが最後にもう1度息子に会えるよう、ビザ申請の迅速な処理を嘆願した。
19日夜にアブドラ・ハッサンちゃんと再会したシャイマ・スウィラさん/CAIR Sacramento Valley
ハッサン氏は医師から、アブドラちゃんのような患者は通常、生命維持装置につながられた状態で2~3週間、長くても1カ月しか持たないと言われていた。アブドラちゃんはその時点で人工呼吸器を装着してから1カ月以上が経過していた。
アブドラちゃんは夫妻の唯一の子どもだった。
ハッサン氏は「最愛の息子に別れを告げなければならないなんて心が張り裂ける思いだ」と述べ、「この大変な時に愛と支援を届けてくれた皆さんに感謝したい。どうかアブドラとわれわれ家族のために祈ってください」と付け加えた。