鎮痛剤の過剰摂取による死亡率、交通事故を上回る 米史上初
(CNN) 医療用鎮痛剤「オピオイド」の過剰摂取による死亡率が米国で史上初めて交通事故による死亡率を上回ったことが16日までにわかった。米非営利組織(NPO)のNSCが2017年の予防可能なけがや死亡に関する統計を分析して明らかになった。
NSCによれば、オピオイドの過剰摂取によって死亡する確率は転落や交通事故、溺死などよりも高いという。
NSCが連邦政府や州当局のさまざまな統計を調査した。これによれば、オピオイドの過剰摂取によって生涯の間に死亡する可能性は96分の1。そのほか、車両事故は103分の1、転落は114分の1、自殺は88分の1の確率だった。
NSCは生涯での死亡率を各要因による1年間での死亡率と2017年生まれの人の平均余命(78.6年)から算出した。1年間の死亡率は死者数と米国の総人口の除算から計算した。
NSCの広報担当者はCNNの取材に対し、「オピオイドによる危機的な状況について、あまりに多くの人々が概念上のものであると考え、自分たちに影響を与えるとは思っていない。自分たちや家族に対する脅威と認識していない」と指摘した。
ただし、NSCの今回の分析は、米国民全体に対する統計上の平均的な確率を表したもので、特定の外部要因による特定の個人の死亡率を必ずしも反映しているわけではない。
17年の予防可能なけがによる死亡は16万9936件と前年比で5.3%増加した。1992年と比較すると96%の増加だった。