トランプ大統領の提案に民主党反発 「まず政府再開を」
ワシントン(CNN) トランプ米大統領が連邦政府閉鎖の解除に向けて示した妥協案に対し、野党・民主党からは「交渉より政府再開が先決」と反発する声が相次いでいる。
下院民主党のナンバー3、クライバーン院内幹事は米FOXニュースとのインタビューで「米国民、特に連邦職員を交渉の人質にするのはやめよう」と呼び掛けた。
トランプ氏は19日午後のテレビ演説で、メキシコ国境に壁を建設する予算と引き換えに、幼少時に親に連れられて不法入国した若者の強制送還を免除する措置「DACA(ダカ)」を3年間延長することなどを提案した。
民主党のペロシ下院議長はこの演説に先立ち、提案を批判する声明を発表。トランプ氏は20日朝のツイートで「民主党は犯罪と薬物に目を向けず、2020年(大統領選)しか見ていないが、あちらが選挙に勝つことはない」「かれらは国家のために筋を通し、職員が仕事に戻ることを認めるべきだ」と主張した。
ペンス副大統領も20日、FOXニュースの番組で、トランプ氏が用意した「交渉のテーブル」をペロシ氏が拒絶したことに「失望」を表明した。
一方、民主党議員からは同日、「連邦職員を人質にするべきではない」「人質を取るような行為に見返りを与えてはいけない」と主張し、トランプ氏の提案を議論する前にまず政府を再開するよう求める声が相次いだ。
ウォーナー上院議員らは、先に政府が再開されれば、トランプ氏の案を「出発点」として妥協点を探ることもできるとの姿勢を示した。しかしトランプ氏が主張する壁の建設に対しては、改めて「予算の無駄」と断じる声が上がった。
与野党双方が態度を硬化させるなか、議論は今後も平行線をたどる可能性が指摘されている。