米、対イランで兵士12万人の中東派遣計画か NYT紙
ワシントン(CNN) 緊迫化するイラン情勢に関連し、シャナハン米国防長官代行がイランが米軍部隊を攻撃したり核兵器開発を加速させた場合に備え、最大12万人の米軍兵士を中東へ派遣する軍事計画案を先週示していたことが16日までにわかった。
米紙ニューヨーク・タイムズがトランプ政権当局者の情報として報じた。米国の国家安全保障担当幹部の会合に先週提示したものだが、イラン国土への侵攻は想定していない。軍事計画案の作成の指示にはボルトン大統領補佐官(国家安全保障担当)が一部絡んでいたという。
トランプ大統領が派遣規模を含め計画案の説明を受けたのかは不明。同紙の報道は13日だがトランプ氏は翌日、記事を「フェイク(偽)ニュース」と否定。その上でそうした事態になったのなら、「我々は(12万人より)多い兵士を送り込む」と記者団に述べていた。
タイムズ紙によると、計画案が示された会合は米政権が先週、イラン軍やその代理勢力がシリアやイラク、もしくは海上で米軍部隊を攻撃の標的にしていることを示唆する特定かつ信頼し得る諜報(ちょうほう)に触れた数日後に開かれた。
会合にはボルトン氏、米軍制服組トップのダンフォード統合参謀本部議長、ハスペル米中央情報局(CIA)長官やコーツ国家情報長官らが出席。話し合われた派兵規模に驚きを一部誘い、2003年のイラク軍事作戦と同一規模との発言もあったという。
政権高官は同紙に、軍事計画案は初期段階のものとしながらも、同案はイランの脅威がいかに危険なものかを物語るとも指摘。外交手段での事態打開を望む別の当局者は、計画案はイランの新たな侵略行為をけん制する警告の戦術に過ぎないとも形容した。