米国で自殺率が上昇、近くに銃販売店があるとリスク高まる
(CNN) 米国での自殺率は1999年から2016年に41%増加したが、自殺する危険性の高い人に共通の要素がみられることがわかった。調査結果が医学誌に発表された。
今回の調査によれば、男性のほうが自殺率が高い。自殺する危険性の最も高い地域は西部の州に多く、農村部である。もしくは都市部でも近所に銃販売店があると自殺率が高いという。
オハイオ州立大ウェクスナー医療センターの研究員で、共同執筆者のダニエル・スチールスミス氏は銃販売店について、「これまで注目されてこなかった新しい変数だ」と指摘。銃の入手のしやすさに関係している可能性があるという。
米疾病対策センター(CDC)によれば、米国で2017年に起きた銃関連の死は約4万件で、そのうちの大部分が自殺によるものだった。
無保険の人も自殺の危険性が高いという。
スティールスミス氏は、「いくつかの健康関連の変数を見つけた。しかし、無保険であると自殺率が高まる」と述べた。同氏は保険に加入していない人々は必要としているその種の支援を探す金銭的余裕がない可能性が高かったり、特に農村部だと、どこに助けを求めていいのかさえ知らなかったりする可能性があるとの見方を示す。
今回の研究では1996年から2016年にかけて自殺した成人45万3577人について調査した。年齢は25~64歳。調査によれば、自殺する人の割合は1999年から2001年にかけては10万人あたり15人だったものが、2014年から2016年には同21.2人となった。
14~16年の自殺率は大都市では10万人あたり17.6人。農村部では同22人だった。
CDCの以前の調査では、米国では自殺が主たる死亡原因で、ほぼすべての州でその割合は高まっていた。2017年に銃で自殺した人の人数は2万3854人で、過去18年間で最多だった。1999年の自殺者数1万6599人と比較すると7000人以上増加していた。
薬物中毒や財政難、住宅問題、孤独、仕事や法律上のストレスも自殺のリスクを高めるほか、家族に自殺者がいる場合や家族からの暴力、有名人による自殺といった自殺行動にさらされた場合も危険性が高まる。