米南部国境での逮捕者、8月は前月比30%減少
ワシントン(CNN) 米税関・国境警備隊(CBP)のモーガン局長代行は9日、ホワイトハウスで、南部の国境での逮捕者の数が大きく減少したと明らかにした。トランプ米大統領が進めている「国境の壁」の建設についても南部国境を守るためには必要なものだとの見方を示した。
モーガン氏によれば、8月に逮捕されたり入国が認められなかったりした人の数は6万4000人と、7月の8万2000人、ピークだった5月の14万4000人から減少した。
モーガン氏は、メキシコに対して国境により多くの人員を割くよう要請するなどといったトランプ大統領による前例のないイニシアチブの数々のお陰だと指摘した。
8月の人数は春以降、逮捕者の数が減少基調にあることを示している。トランプ米政権は、南の国境に到着する移民の流入の抑制に向けて、いくつかの物議を醸す政策を推進している。
伝統的に夏季には国境を越える人の数は減少するが、モーガン氏によれば今回の減少は季節的な傾向とは関係ないという。
メキシコは国家警備隊を配備し、移民手続きを待っている亡命希望者の受け入れを行っているが、モーガン氏によれば、こうした支援は来年まで続かない可能性がある。
モーガン氏は、メキシコをはじめ、グアテマラやエルサルバドル、ホンジュラスといった国々が現在の水準の取り組みを維持できるかどうかについて懸念を表明した。
国境警備隊は違法な越境については逮捕を行っているが、8月の逮捕者の数は約5万1000人と7月の約7万2000人から約30%減少した。今夏は逮捕者の数が10万人前後で推移しており、それからすると逮捕者の数は大きく減少した。しかし、それでも月あたりの人数は過去2年間の会計年度と比べると上回っている。18年8月の逮捕者の数は約3万7520人、17年8月は同約2万2300人だった。
米国土安全保障省(DHS)のマカリーナン長官代理は先ごろ、「メキシコとの継続的なパートナーシップ」や、不法移民への対応や国境警備の強化といった中米諸国からの支援について称賛していた。
米政権はここ数カ月、難民手続きの申請期間中に一部の亡命希望者をメキシコに送り返すプログラムを拡大させるなどしている。
モーガン長官は、トランプ大統領が進める国境の壁の建設について「この壁は南部の国境を守るためには絶対に必要だ」と述べた。国防総省は先ごろ、国防予算36億ドルを国境の壁の建設に振り向ける方針を明らかにしていた。