米商務長官、トランプ氏のツイート受けハリケーン予報の変更を要請か
ワシントン(CNN) 米南東部を襲った大型ハリケーン「ドリアン」の進路をめぐり、トランプ米大統領が誤った予想をツイートした問題で、ロス商務長官が商務省の米海洋大気局(NOAA)に、トランプ氏の発言と矛盾する予報を打ち消すよう迫り、担当者の解雇まで示唆していたとの報道が波紋を呼んでいる。
トランプ氏は今月1日、ドリアンの接近を前に、被害はアラバマ州にも及ぶとツイート。ところが、NOAA内の一機関である国立気象局(NWS)のアラバマ事務所はその直後のツイートで、同州に影響はないとの予報を出した。
9日付のニューヨーク・タイムズ紙が事情を知る人物3人の話として伝えたところによると、ロス氏はNOAAの責任者、ニール・ジェイコブス氏に電話をかけて予報の変更を求めた。ジェイコブス氏が反対したのに対し、ロス氏はNOAAの職員らを解雇するとも脅したとされる。
NOAAは6日になって、トランプ氏と食い違っていたNWSのツイートを否定した。同紙によれば、ロス氏からの脅しを受けた動きだったとされる。
この報道に対し、商務省の報道官は「ロス氏がハリケーン予報をめぐってNOAA職員の解雇を示唆した事実はない」と反論した。
トランプ氏はNWSに否定された後も、アラバマ州に被害が及ぶと言い張った。4日の記者会見では、NOAAの進路予想にマーカーで黒い線を書き足したとみられる図を示し、ドリアンが同州を通るような印象を与えていた。
同紙の報道を受けて、野党・民主党の議員らからは、脅しが事実ならロス氏は辞任するべきだとする声も上がっている。