大統領にテレビやSNS情報は不要、オバマ氏説く
ワシントン(CNN) 米国のオバマ前大統領は21日までに、大統領が政策上の明確な決断を下す上で、判断力を曇らせ多大な雑音をもたらすテレビやソーシャルメディアからの情報を避けるべきだとする見解を示した。
米サンフランシスコでのテクノロジー関連の会合での質疑応答で述べた。名前には言及しなかったもののテレビ好きやツイッターへの書き込みを駆使するトランプ大統領を念頭に置いた発言とも受けとめられている。
米国の近代政治史で前大統領が現職大統領を非難するのは異例だが、オバマ氏は再三、トランプ氏の施政を批判している。
オバマ氏は同会合で、明確な決断を下すには手元にあるデータが何であれ判断に重要であろう問題の核心を把握、整理し得る信頼出来るプロセスの構築が必要と強調。
さらに多様な意見を持つチームを持つことが必要と主張。その上で「役に立つ選択肢はテレビを見ず、ソーシャルメディアを読まないことだ」と付け加え、会場の喝采を浴びた。
オバマ氏は「大統領は体裁の良さなどに構わず事実を欲する姿勢を明確にするのが重要」とも指摘。また、「不健全な形で決断力を揺り動かすような外部からのシグナルに気を取られるべきではない」とも述べた。
ソーシャルメディアが民主主義に及ぼす有害な影響力への懸念も表明。仲間意識、対立、他人の意見に耳を傾けない風潮は以前にもあったが、ソーシャルメディアがこれらを加速したとした。
自らの娘とのやりとりに役立っていると近代社会の発明機器をたたえながらも、「技術は人間間の関係を損ねている。人々を分裂させてもいる」と警鐘も鳴らした。