米、サウジに軍増派 イラン制裁も発表 石油施設攻撃受け
ワシントン(CNN) エスパー米国防長官は20日、サウジアラビアの石油施設への攻撃を受け、米軍をサウジとアラブ首長国連邦(UAE)に増派すると発表した。これに先立ち、トランプ大統領は新たな対イラン制裁を科したことを明らかにした。
米国はサウジ攻撃にイランが関与したとの見方を示している。エスパー氏は国防総省で記者団に、攻撃は「イランによる侵略の劇的な拡大」を示すものだと指摘。増派部隊については「防衛的な性格で、主に防空とミサイル防衛に注力する」とした。
エスパー氏は「現在はサウジによる防衛インフラ改善を支援することに主眼を置いている」と説明。政権の目標として、中東のパートナー国を支えるという「明確なメッセージ」を送ること、ペルシャ湾を経由する通商の自由な流れを守ること、ルールに基づく国際秩序を守る決意を示すことを挙げた。
さらに「大統領が明確にしたように、米国はイランとの紛争を求めているわけではない」と前置きした上で、「必要なら他にも多くの軍事的選択肢がある」と述べた。
これより数時間前、トランプ氏は新たな対イラン制裁を科したことを発表。中央銀行と国家開発基金というイラン経済の2本柱を制裁対象に指定した。
一部の共和党議員や強硬派からは空爆を求める声も上がっているが、トランプ氏は今回の判断をより難しい選択と位置付け、現時点では直接の軍事的対応は検討していないと示唆した。「若干の自制を示すのが強者のアプローチであり、強さを示すことだと思う」としている。