駐EU米大使が証言修正、「交換条件」認める ウクライナ疑惑
(CNN) トランプ米大統領がウクライナに対し、政治的ライバルのバイデン前米副大統領らについて捜査するよう圧力をかけたとされる問題をめぐり、ソンドランド駐欧州連合(EU)大使が4日、下院での証言内容を修正する文書を出した。ウクライナ側の捜査開始が軍事支援の条件だったことを示す内容だ。
下院情報特別、外交、政府改革の3委員会が主導するトランプ氏の弾劾(だんがい)調査では、バイデン氏の息子が役員を務めていたウクライナ企業の汚職疑惑や、同国による2016年米大統領選への介入疑惑への捜査を、トランプ政権が対ウクライナ軍事支援などの交換条件としていたかどうかが焦点になっている。
ソンドランド氏は先月、非公開の公聴会で、交換条件との認識はなかったと証言。これに対し、ほかの関係者らによる証言との矛盾を指摘する声が上がっていた。
同氏は4日、下院委員会に提出した3ページの追加文書で、9月1日にゼレンスキー・ウクライナ大統領の側近と個人的に話したことを思い出したと説明。この会話の中で、米国が凍結した軍事支援について、ウクライナが捜査開始を発表するまで再開されないだろうと告げたことを認めた。
弾劾調査では今まで関係者13人が非公開で証言してきたが、下院で先週採択された決議に基づき、近く公開の証言が始まる見通し。これに合わせ、5日にはソンドランド氏ら4人の証言内容が公開された。同氏の追加文書もこの中に盛り込まれた。
新たに公開された中には、国務省のボルカー前ウクライナ担当特別代表が先月、非公開の公聴会で証言した内容も含まれている。ボルカー氏はこの中で、軍事支援と捜査開始の交換条件については何も知らなかったと主張。ウクライナ政権自体も8月末まで、支援が凍結されたことを認識していなかったはずだと述べていた。