下院の弾劾公聴会、高官4人が証言 今後の注目点は
(CNN) 米下院で19日、トランプ大統領のウクライナ疑惑をめぐる弾劾(だんがい)調査の公聴会が開かれ、米政権の新旧高官4人が公開で証言した。その内容を踏まえて、20日に予定される公開証言の注目点を探る。
19日の公聴会では午前にウィリアムズ副大統領特別顧問と国家安全保障会議(NSC)のビンドマン陸軍中佐、午後にボルカー前ウクライナ担当特別代表とNSCのモリソン前欧州ロシア担当顧問が証言した。
20日は午前にソンドランド駐欧州連合(EU)大使、午後にクーパー国防次官補代理とヘイル国務次官の証言が予定されている。
ソンドランド氏は非公開の証言でうそをついていた可能性が指摘され、20日の公聴会で野党・民主党の追及にどう応じるかが注目されている。偽証罪に問われることなく、トランプ氏の怒りも買わず、質問に対して誠実かつ完璧に答えるという難しい対応を迫られるからだ。一部の質問には黙秘権を行使すると予想する声もある。
弾劾調査の焦点は、トランプ氏がウクライナに対し、バイデン前米副大統領らの関与が疑われた汚職疑惑について捜査するよう圧力をかけ、軍事支援の条件にしたとされる問題だ。
19日の公聴会では、ビンドマン氏がソンドランド氏に、ウクライナへの捜査要求は不適切であり、国家安全保障政策とは無関係との意見を伝えていたと証言した。ソンドランド氏が20日の公聴会で、周囲からのこうした意見にどう対応したかを問われるのは確実とみられる。
ここで問題になるのは、政権内部でこの捜査がどう呼ばれていたかだ。汚職疑惑の対象とされたのは、バイデン氏の息子ハンター氏が役員を務めていたウクライナのガス会社「ブリスマ」だった。トランプ氏らが「ブリスマの捜査」と呼んでいたのが、実は同氏の政治的ライバル、バイデン氏らに対する捜査だったことを、ソンドランド氏はいつから認識していたのだろうか。