トランプ大統領、弾劾証言の高官2人を解任 報復人事か
ワシントン(CNN) トランプ米大統領は7日、国家安全保障会議(NSC)のビンドマン陸軍中佐と、ソンドランド駐欧州連合(EU)大使を解任した。2人はウクライナ疑惑を巡る弾劾(だんがい)調査でトランプ氏に不利な証言をしていた。
トランプ氏の顧問は今回の解任について、大統領に歯向かうことは許されないとのメッセージを送る狙いだとの見方を示した。
ビンドマン氏の弁護士の声明によると、同氏は予定より数カ月早く役職を追われる結果となった。当初は7月以降に退任する予定だったが、ビンドマン氏はここ最近、早期退任することになりそうだと同僚に明かしていたという。
ソンドランド氏も声明で、「大統領は私を即時解任する意向だと伝えられた」と説明。トランプ氏やポンペオ国務長官、EU駐在の米外交関係者に謝意を示すとともに、「我々の成果を誇りに思う」と述べた。
ビンドマン氏とソンドランド氏は昨年後半、下院の弾劾調査でトランプ氏に不利な証言をしており、今回の解任は報復とみられる。
トランプ氏はかねて近い関係者に、ビンドマン氏の証言に対する怒りを吐露。7日には「彼には満足していない」と語り、解任する意向を示唆していた。
ビンドマン氏は昨年11月の公聴会で、7月25日に行われたトランプ氏とウクライナのゼレンスキー大統領の電話会談をめぐり、会談直後にNSCの法律顧問に懸念を伝えたことを明らかにした。
ソンドランド氏も弾劾調査でウクライナ疑惑に言及。トランプ氏がホワイトハウスでの首脳会談などを見返りとして、ウクライナ側に自身の政敵に対する調査を要求したと証言していた。