米上院、トランプ大統領の弾劾裁判で無罪評決
(CNN) トランプ米大統領の権力乱用と司法妨害を問う弾劾(だんがい)裁判で、米上院は5日、2つの弾劾条項それぞれで無罪評決を下した。
ただし与党共和党のミット・ロムニー上院議員は、大統領の権力乱用については有罪を支持した。自分と同じ党の大統領の弾劾を支持した上院議員は、米国史上初めてだった。
現職の米大統領の弾劾裁判は、ビル・クリントン氏、アンドリュー・ジョンソン氏に続く史上3人目。
上院で5日に行われた評決では、権力乱用の条項について無罪支持が52票、有罪支持は民主党にロムニー議員を加えた48票だった。司法妨害の条項についてはロムニー氏も無罪を支持、党派に沿って53人が無罪票を投じ、有罪の47票を上回った。
これで4カ月にわたった弾劾手続きは終了し、大統領の弾劾をめぐるトランプ氏と民主党の争いは、大統領選へと持ち込まれることになる。
ホワイトハウスのステファニー・グリシャム報道官は無罪評決を受け、「民主党によって画策された恥ずべき弾劾の試みは、トランプ大統領の完全な無実が証明されて終わった」と語った。
トランプ大統領は同日、ツイッターへの投稿で、「弾劾のでっち上げに関する我が国の勝利について、明日正午にホワイトハウスから公式声明を発表する」とした。
野党民主党のナンシー・ペロシ下院議長は同日午後、声明を発表し、「米国民の75%と共和党上院議員の多数が、大統領の行為は間違いだと信じている。それにもかかわらず上院は、この事実と米国民の意思、憲法に対する義務を無視することを選んだ」と批判した。