救急看護師が増員を拒否され退去 米デトロイトの病院
(CNN) 米ミシガン州デトロイトの病院で、救急病棟の看護師らが病院側に増員を求めたが拒否され、退去を余儀なくされたことが分かった。
同病院の医師が匿名でCNNに語ったところによると、応援要員を求める夜勤の看護師らが5日夜、休憩室に立てこもった。
病院側はこれを受けて4時間にわたり協議した末、増員の見送りを決定。看護師らに職務継続か退去かの選択肢を提示し、数人の看護師が実際に立ち去った。
看護師の1人、サル・ハドワンさんも5日深夜、フェイスブック上のライブ配信で経緯を説明。人工呼吸器や点滴の患者が多数いる状況で看護師6~7人の態勢では適切な看護ができないと訴えた。看護師2人で26人の患者と10台の人工呼吸器を担当した日もあるという。
ハドワンさんによれば、夜勤の看護師が退去した後、日勤の看護師らは24時間勤務が必要になると言い渡された。
病院本部の報道担当者は6日、CNNとのインタビューで「院内で昨夜、ごく少数の看護師がストライキを起こし、患者のケアを拒否したことは残念だ」と語った。一方で別の看護師らの協力により、患者は引き続き必要な看護を受けていると強調した。
ハドワンさんは6日夜、病院が夜勤チームに派遣看護師4人を追加したと報告した。
ミシガン州看護師協会のジェイミー・ブラウン会長はCNNに、「州内各地の看護師たちは患者と自分自身を守ろうと必死で力を尽くしている」「それでも結局、口を閉ざすより声を上げることが患者や自分の家族、同僚のために最善の道となる転換点が来る」と指摘。病院側が看護師らの懸念を本気で受け止めない限り、ほかの現場でも今回のような行動が起きるのは時間の問題との見方を示した。