米南部で竜巻相次ぐ 6人死亡、新型コロナ対策も中断
(CNN) 米南部で12日に竜巻きが相次ぎ、家屋の倒壊や送電線の寸断などの壊滅的な被害が出ている。ミシシッピ州とルイジアナ州ではこれまでに少なくとも6人の死亡が確認された。
12日から13日にかけては南部と東部の約20州で大荒れの天気が予想され、ミシシッピ、アラバマ、ルイジアナの3州には竜巻警報が出されていた。
現地の消防局によると、ミシシッピ州ローレンス郡では2人が死亡した。同地では2つの竜巻が報告され、樹木の倒壊や住宅の損壊などの被害が広がった。
ミシシッピ州緊急事態対策局によると、同州では12日にウォルソール郡で1人、ジェファソンデービス郡で3人が死亡した。コビントン郡では同日夜にかけ、消防や警察が総動員で被災現場に出動した。米国立気象局(NWS)はこの一帯に対し、「大規模で破壊的な竜巻」への警戒を呼びかけていた。
CNNの気象専門家によると、ミシシッピ州南部を12日午後に襲った竜巻は、風速90メートル近くに達していた。
ルイジアナ州北部中央部のモンロー市(人口約5万人)では、12日午後の竜巻で少なくとも200~300棟の住宅に被害が出た。市長によると、救急隊員が軽傷を負った以外、現時点で死傷者は報告されていない。消防隊は損壊した建物の捜索を行い、閉じ込められた人がいないかどうか確認している。
竜巻で損傷したボランティアの消防署=ミシシッピ州/Candice Pitts
NWSはミシシッピ州コビントン郡とジェファソンデービス郡の一部に最も高いレベルの竜巻警報を出し、予報官は風速約51~74メートルの猛烈な暴風を伴う竜巻が発生する可能性が大きいと予想していた。ミシシッピ州知事もツイッターを通じて「NWSが異例の警報を出し、州の北部中央部で午後8時まで特に危険な竜巻に警戒するよう呼びかけている」と伝えた。
テキサス、ルイジアナ、ミシシッピの3州では12日だけで10回以上の竜巻が観測された。
新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、ミシシッピ州の避難所は手指消毒剤を用意し、避難する住民にはマスクを着けて、できる限り他人との間に距離を置くよう呼びかけている。
#sanangelo #severeweather My shed roof flying away. pic.twitter.com/2PSq1NinqD
— Rick (@RickMcGee1) April 12, 2020
アラバマ州知事は12日夜の悪天候を見越して非常事態を宣言し、人命が危険にさらされかねないとして新型コロナウイルス関連の命令は一時的に中止。避難所では感染防止のための対策を講じるとした。
暴風のために送電線も寸断され、テキサス、アラバマ、ルイジアナ、ミシシッピの4州では停電が発生している。