争奪戦の医療防護具、1000%以上の値上がりも 米
(CNN) 新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を受け個人的な医療防護品(PPE)の調達費用が値段のふっかけなどもあり、一部で1000%も値上がっていることが18日までにわかった。
米連邦政府が戦略備蓄物資ともしているこれら物資はほぼ払底状態にあり、米国の各州は独自調達に追いやられてもいる。需要の急増で輸入業者、供給元や購入者は確保におおわらわともなっている。
米ニューヨークを拠点にするPPE流通企業「ディールメド」の幹部は「費用は上昇の一途で終わりが見えない」と説明。中国の供給企業との間で信義などを重んじる個人的関係を築いたが、新型肺炎の拡散で意味をなさなくなったと慨嘆。「誰もが入り込んできて値を付ける。物を言うのは全能の米ドルだ」とこぼした。
医療問題などに関する非営利団体によると、PPE供給の費用は1000%以上急増した。このデータは同団体の創設に関与した2企業の4000以上の顧客から得たコスト関連情報に基づく。顧客には介護施設などが含まれる。
高機能の医療用マスクとされるN95を確保するコストは1個当たり0.38ドル(約41円)から5.75ドルにはね上がった。ビニール製の診察用手袋は0.02ドルから0.06ドルに、隔離用ガウンは0.25ドルから2000%増となる5ドルに値上がったという。再利用可能なフェースシールドは0.50ドルから4ドルの水準となった。
PPE製品の価格高騰を受け各州はここ数週間、連邦政府による統制不足が値段を激しく押し上げていると強い不満を示している。
ニューヨークのPPE供給企業はCNNの取材に、価格上昇は需要が供給を依然上回っているためと指摘した。