新型コロナ救援小包にコニャック、知事に批判も「喉の消毒剤」 ケニア
ケニア・ナイロビ(CNN) ケニアの首都ナイロビで、新型コロナウイルス対策として住民に送られる小包にコニャックのボトルを同梱(どうこん)する計画が発覚し、支援内容を取りまとめた知事に批判が集まっている。
ナイロビのマイク・ソンコ知事は14日の記者会見で、救援小包にヘネシーのコニャックの小瓶数本が含まれることを認めた上で、アルコールは「喉の消毒剤だ」と正当化した。
ソンコ氏は動画の中で「世界保健機関(WHO)や各種機関の研究の結果、アルコールが新型コロナウイルスの殺菌に大きな役割を果たすことは確認済みだと思う」としている。
“We will have some small bottles of Hennessy in the food packs that we will be giving to our people…” - Nairobi Governor Mike Sonko
— Citizen TV Kenya (@citizentvkenya) April 14, 2020
Note: WHO warns that drinking alcohol does not protect you against COVID-19 and can be dangerous pic.twitter.com/vuSuVAb8dy
しかしWHOは、アルコールは新型コロナから身を守る手段にはならないと明言。飲酒量は最小限に抑えるよう勧告している。
14日に公表した文書では、アルコールは健康状態を損ない、新型コロナを含むウイルスへの脆弱(ぜいじゃく)性を増大させかねないと指摘した。
医療系非営利組織アムレフ・ヘルス・アフリカのギティンジ・ギタヒ最高経営責任者(CEO)も、ツイッターでソンコ氏の主張を批判し、届いたアルコールを廃棄するようケニア国民に呼び掛けた。
ソンコ氏に厳しい視線が注がれるのは初めてではない。同氏は昨年後半に汚職容疑で逮捕され、中央政府の役職の一部を辞任する事態に追い込まれていた。
一方、ヘネシーは地元メディアを通じてソンコ氏の主張に反論。「弊社ブランドや他のアルコール飲料の摂取にウイルスから身を守る効果はないと強調したい」と述べた。