新型コロナ、第2波がインフル流行と重なる恐れも CDC所長が警告
(CNN) 米疾病対策センター(CDC)のレッドフィールド所長は、米国でこの冬、新型コロナウイルス感染拡大の第2波とインフルエンザの流行が重なり、医療現場はさらに深刻な危機に陥る恐れがあるとの警告を発した。21日付の米紙ワシントン・ポストが伝えた。
インフルエンザには新型コロナウイルスと違って予防接種や治療薬があるとはいえ、毎年多くの死者が報告されている。CDCによると昨年は米国内の患者が3550万人、死者は少なくとも3万4200人に達した。
インフルエンザへの対応に追われる医療現場に新型コロナウイルス感染症の流行が重なれば、負担は今回よりさらに大きくなる恐れがあると、レッドフィールド氏は指摘する。
ホワイトハウスで新型コロナウイルス対策を統括するバークス対策調整官は21日の記者会見でレッドフィールド氏の発言について問われ、第2波のほうがひどくなるかどうかは「分からない」とコメント。そのうえで、感染拡大の兆候を早期に察知するために高リスク層の監視体制を維持するとの方針を示した。
トランプ大統領は先週、経済活動再開に向けた規制緩和の指針を各州に提示したが、レッドフィールド氏は州当局者らに対し、今後2~3カ月は次の段階に備えて、ソーシャル・ディスタンシング(社会的距離の確保)の徹底とともに検査や感染経路追跡の体制強化を図るよう呼び掛けている。
同氏はまた、インフルエンザで入院する患者を減らすため、予防接種の普及啓発を進める必要があると強調。インフルエンザの予防接種を受けることで病院のベッドが空けば、自分の親や祖父母が新型コロナウイルスに感染した時にそのベッドが使えるかもしれないと訴えた。