新型コロナで父を亡くした家族、病院スタッフとの交流が涙誘う
(CNN) 新型コロナウイルス感染症で米ニューハンプシャー州マンチェスターの病院に入院した男性に向けて、家族が毎日外からメッセージを掲げ、本人や病院スタッフに励ましの言葉を贈り続けた。男性が最期を迎えた時、スタッフが窓から掲げたメモの画像が涙を誘っている。
レネ・ジョンソンさん(享年65)は介護施設で療養中に新型コロナウイルスに感染し、呼吸困難に陥って入院した。
感染患者と家族の面会は禁止されている。そこで息子のケビンさんが思いついたのは、シーツにスプレー塗料でメッセージを書き、病院に向かって掲げようというアイデアだった。
レネさんの容体が悪化して移された病室には、公園を見下ろす窓があった。ケビンさんや娘のアンジェラ・デノルトさんらは連日、公園に数時間立ち続け、レネさんと病院スタッフへのメッセージを掲げた。看護師らにいつでも見えるよう、手すりに貼り付けたメッセージもある。
アンジェラさんによると、看護師や医師らは窓からハートを作ってみせたり、手を振ったりして応えてくれた。看護師の1人は週に2回、防護服を脱いだ姿で出てきて、家族に合流してくれたという。
レネさんは17日に亡くなった。病室のスタッフは窓から公園に向かって、「安らかに永眠されました」「本当に残念です」と書いたメモを掲げた。その画像がソーシャルメディア上で拡散し、感動が広がった。
アンジェラさんは、スタッフに恩返ししたい、感謝を伝えたいという一心で画像を投稿したと話す。一家はさらに、クラウドファンディングで寄付の呼び掛けも始めた。集まる資金の額によってスタッフに差し入れをしたり、地元のバンドによるコンサートを贈ったりする案を検討中だという。