NASAの有人探査部門トップが突然辞任、「誤り」理由に
ニューヨーク(CNN Business) 米航空宇宙局(NASA)の有人探査部門トップ、ダグ・ロベロ氏が就任からわずか半年で突然辞任したことが分かった。報道陣が19日に入手した職員宛てのメモでは、今年に入って「誤り」を犯したことを理由に挙げている。
ロベロ氏の退任は18日付だった。
事情に詳しい情報筋がCNNに明かしたところによると、辞任の原因となったのは、2024年の有人月面着陸を目指す「アルテミス計画」に関連した出来事だという。
アルテミス計画はトランプ政権が昨年発表したもので、非現実的と批判する声も出ている。情報筋は辞任の原因となった出来事について、今年に入って発注先が決まった月面着陸機の開発契約をめぐるものだと明かした。
CNNは19日夕にコメントを求めたものの、ロベロ氏は回答を控えた。
ロベロ氏は昨年12月、10年以上にわたりNASA有人探査部門のトップを務めたウィリアム・ゲルステンマイヤー氏の後任に就任していた。
ロベロ氏はNASAの職員に宛てたメモで、指導者は「リスクを取ることが求められる」と指摘。「私は今年、こうしたリスクを冒した。ミッションの完遂に必要と判断したためだ」と説明した。
ロベロ氏はこの判断について「今となっては私が誤りを犯したことは明白で、私ひとりが責任を負わねばならない」とつづっている。
NASAと提携する米民間宇宙企業スペースXは来週、国際宇宙ステーション(ISS)に滞在する飛行士2人を打ち上げる予定。NASAにとって歴史的な節目となるが、情報筋によると、ロベロ氏の辞任はこれとは無関係だという。
後任には有人探査部門幹部のケン・バウアーソックス氏が代行として就任する。