トランプ大統領が視察した医療用綿棒を廃棄、マスクなしで工場見学
ワシントン(CNN) 米国のトランプ大統領が視察に訪れた医療用品の製造会社が、視察時に製造していた製品を廃棄したことを明らかにした。大統領はマスクを着けずに工場内を歩き回っていた。
トランプ大統領の一行は5日、メーン州にあるピューリタン・メディカル・プロダクツの本社を訪れ、綿棒の製造工場を視察した。同社は事前に、この視察の際に製造した製品を廃棄することを決めていたという。政府関係者や警護隊員、報道陣など大勢の人が工場を訪れるという理由だった。
同社がツイッターに掲載した情報によると、視察の際の製造は一部の機械に限定し、時間を15分に短縮して実演を行った。大統領はこの間、積極的に製造現場を見て回っていた。
視察後は施設の徹底洗浄が必要だったと同社は説明し、新型コロナウイルスの検査用に製造している綿棒は、全て製造後に殺菌を行っていると言い添えた。
生産ロスを防ぐため、5日の製造予定を変更して週末に切り替える方針を事前に決めていたことも明らかにした。
米国では新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、感染を防ぐための防護具や検査に使う綿棒などの需要が急増し、こうした医療用品の製造が重大な問題になっていた。
トランプ大統領は5日の視察の際、他人との距離を置くよう求めた政府のソーシャル・ディスタンシング規制を守らず、工場の従業員と一緒に写真撮影に応じる場面もあった。大統領も従業員の女性もマスクを着けていなかった。