回顧録出版のボルトン氏は「裏切り者」、ポンペオ氏が非難
(CNN) ポンペオ米国務長官は18日、出版予定の回顧録の中でホワイトハウスの内幕を明かしたボルトン前米大統領補佐官(国家安全保障担当)を「裏切り者」と強く非難した。
ボルトン氏は回顧録で、補佐官在任中のトランプ大統領の外交政策を批判。トランプ氏が中国の習近平(シーチンピン)国家主席に対し、2020年大統領選での再選支援を要請したなどといった主張を展開している。
これに対しポンペオ氏は声明で、回顧録を読んだわけではないとしつつ、報道で目にした抜粋から判断して、ボルトン氏が「数多くの嘘を拡散している」と指摘。事実の一部分だけを誇張したり、まったくの偽りを並べ立てたりしていると非難した。
そのうえで「ジョン・ボルトン氏の果たす最後の公的な役割が裏切り者の行いに他ならないという事実は、悲しくもあり危険でもある。国民との不可侵の信頼に背き、結果的に米国を傷つけた」との見解を示した。
また世界の人々に呼び掛ける形で「トランプ大統領が率いる米国は、世界を良い方向に動かす力になる」と強調した。
ホワイトハウスは、回顧録の内容に機密情報が含まれているとして出版の差し止めを求める訴訟を起こしている。
一方、CNNが入手した回顧録の内容によれば、ボルトン氏は米朝首脳間の核合意をめぐる交渉に臨んだ際、ポンペオ氏との間でトランプ氏を侮辱するやり取りを秘かに交わしたとも明かしている。
トランプ氏は17日、ウォールストリート・ジャーナル紙とのインタビューで、この件に関するボルトン氏の記述を信じないとコメント。「ポンペオ氏との間に軋轢(あつれき)などない。関係は極めて良好だ」と語った。
その後で「ポンペオ氏とボルトン氏の関係は最悪だった」と付け加えた。
司法省の弁護団は、暴露本にはまだ秘密情報が残っていると主張。一方、ボルトン氏の弁護士は、同氏がこれまでトランプ政権による本の内容精査の手続きに真摯(しんし)に向き合い、秘密情報を開示しないよう注意を払い、精査の手続きは完了したとの通知を受けていると反論している。