米国務長官、中国を痛烈批判 総領事館閉鎖の期限迫る
ワシントン(CNN) ポンペオ米国務長官は23日、「共産主義の中国と自由世界の未来」と題した演説を行い、中国を痛烈に批判した。一方、在ヒューストン中国総領事館の蔡偉総領事は、領事館閉鎖の期限が迫る中で米国による退去命令に従わない可能性を示唆した。
演説の場所はカリフォルニア州にあるニクソン大統領図書館。ニクソン氏が米大統領として初めて中国を訪問してから間もなく50年となる。
ポンペオ氏は演説で、「我々は今後数年、数十年にわたり我々を導く真実を認めなければならない。習近平(シーチンピン)国家主席が夢見る中国の世紀ではなく、自由な21世紀を手にしたいなら、中国にやみくもに関与するという古い枠組みではそれが実現しないということを」と言及。「こうした枠組みを継続してはならず、そこに戻ってもならない」と述べた。
ポンペオ氏は米中間の競争を現代の冷戦と位置付けている様子で、「中国共産党から我々の自由を守ることはこの時代の使命であり、米国はそれを主導する完璧な立場にいる」とも述べた。
米国が在ヒューストン中国総領事館の閉鎖を命令した理由については、「スパイ活動と知的財産窃取の中心地だからだ」とした。米国は中国に対し、24日までに総領事館を閉鎖するよう要求している。
ヒューストンの中国領事館の閉鎖を発表するポンペオ国務長官/Pool
一方、蔡偉総領事はこの日、米政治ニュースサイト「ポリティコ」のインタビューで、閉鎖命令に従わない可能性を示唆。「今日はまだ通常通りの業務を行っている。明日に何が起きるのか様子を見るつもりだ」と述べたものの、詳細には触れなかった。
米国は22日に72時間以内の領事館の閉鎖を命令。中国当局は米国に撤回を求めており、応じない場合は報復措置も辞さない姿勢を示している。
CNNが入手した米国の法執行当局が作成し政府内で共有されている7ページの文書には、米国内での中国の人民解放軍による秘密工作の具体例が詳述され、在ヒューストン領事館が関連する記述もある。
中国外務省の汪文斌報道官は、同領事館が不法行為の中心地との米国の主張を否定している。