生徒密集の写真が投稿された米高校、9人感染判明 リモートに移行
(CNN) 生徒が廊下に密集する様子がソーシャルメディアで共有され、その後生徒や職員ら9人の新型コロナウイルスへの感染が判明した米ジョージア州の高校が、一時的にオンライン学習に移行する。同校の学区が9日、保護者に書簡で伝えた。
この高校は先週、2年生のハンナ・ウォッターズさんがツイッターに写真を投稿したのをきっかけに、全米の注目を集めていた。写真にはハンナさんの同級生が廊下に密集し、ほとんど誰もマスクを付けていない様子が写っている。この学区は今月3日から授業を再開していた。
同州ポールディング郡の学校責任者は書簡で、「ノースポールディング高校で対面授業を再開した週に9人が感染したとの報告があり、結果待ちの検査で陽性が判明して感染者が増える可能性もあることから、公衆衛生当局と協議の上、一時的に授業方法をデジタル学習に切り替える」としている。
同校は10日から11日にかけ、デジタルのみで授業を行う方針。その後もリモート授業を続けるか、生徒の登校を再開するかについては、11日夕の段階で各家庭に通知する。
この間に「学校の徹底的な清掃と消毒を行う」という。学区は州公衆衛生当局とも連携し、感染者と濃厚接触した人が他にいないか特定する方針。
同校の校長は8日の別の書簡で、「先週学校にいた生徒6人と職員3人から、検査で陽性判定が出たとの報告があった」と明らかにした。
米国ではポールディング郡のケースの前から、学校に戻った生徒や教師が陽性判定を受ける例が相次いでおり、コロナ禍のさなかに対面授業を再開するリスクが浮き彫りとなっている。
ハンナさんは写真を投稿したことで停学処分を受けた。だがその後母親が校長と電話で会話し、停学処分にはならず記録にも残らないと伝えられた。10日にも出席が認められるという。
写真を投稿したハンナ・ウォッターズさん/CNN
ハンナさんはCNNの取材に、「いい意味での必要なトラブルだった」「一番心配していたのは自分だけでなく皆の安全だった。全ての先生、生徒、職員の後ろには家族や友人がいる。それらの人々全員が安全でいてほしかっただけ」と語った。
一方、ハンナさんやその家族、友人らは脅迫的な文言を受け取っていたという。ハンナさんは、特に上級生が最後の年を奪われるのではないかと心配しているのはわかるとしながらも、自分がそれを望んでいるわけではないと説明。ただ皆安全でいてほしいという自分の考えをいつかはわかってもらえればと語った。