警官が黒人男性を銃撃、子ども3人の目の前で 米ウィスコンシン州
(CNN) 米ウィスコンシン州で、黒人男性が車に乗り込もうとしたところを背後から警官に撃たれて重傷を負う事件があった。警官2人は24日から休職扱いとなり、州司法局が銃撃の経緯について捜査に乗り出した。
男性側の弁護士によると、車の中には3~8歳の子ども3人がいて、父親が撃たれる場面を目撃していた。
ウィスコンシン州知事によると、警官に撃たれた男性はジェイコブ・ブレークさん(29)。弁護士によれば、病院の集中治療室に入院しており、容体は安定しているという。
事件は同州ケノーシャ(人口約10万人)の、集合住宅が立ち並ぶ住宅街で発生した。ケノーシャ警察によると、23日午後5時11分ごろ、ドメスティック事案の通報があった。
弁護士は同日夜、銃撃の現場を撮影した動画をネットに投稿した。
動画には、路上に止めたスポーツ用多目的車(SUV)の周りを歩くアフリカ系米国人の男性を、警官2人が後ろから追いかけて止めようとする姿が映っている。男性が運転席に乗り込もうとしたところ、警官の1人が男性のシャツを後ろからつかみ、7発の銃声が鳴り響いた。
ケノーシャ警察の警官は、ボディーカメラを装着していなかった。パトカーはダッシュカメラを装備しているが、この現場を記録していたかどうかは分かっていない。
動画を撮影したレイシアン・ホワイトさんによると、道路の向こう側で女性同士が言い争う声が聞こえ、続いてブレークさんが現れて息子の1人に車に乗るよう指示した。息子は言われた通りに車に乗り、ブレークさんは女性に続いて家の中に姿を消したという。
いったんこの場を離れたホワイトさんが戻ってみると、ブレークさんが警官ともみ合っていた。そうなった経緯は分からなかったが、途中から撮影を開始したという。23日の夜は、自分が目撃した光景がよみがえり、腹が立って眠れなかったとホワイトさんは話している。
ブレークさんは、女性のけんかの仲裁をしようとしていたとの情報もある。