「ロッキー山脈の宝探し」の仕掛け人が死去、90歳 米
(CNN) 米西部ロッキー山脈に財宝を隠し、多数の人々が参加した10年がかりの宝探しの仕掛け人となったフォレスト・フェンさんが死去した。警察がCNNに確認した。90歳だった。
地元警察によると、フェンさんはニューメキシコ州にある自宅で息を引き取った。自然死とみられる。
フェンさんは美術品や骨とう品の収集家で、ロッキー山脈に宝箱を隠したことで名高い。10年前に出版した自伝「The Thrill of the Chase(追跡のスリル)」で謎めいた手がかりを記すと、大勢の人々が宝探しに乗り出した。
フェンさんの推定では、宝箱を探しにロッキー山脈を訪れた人は35万人以上。中には仕事を辞めて宝探しに没頭したり、命を落としたりした人もいた。
当初はでっち上げではないかとの懐疑的な声もあったが、今年6月、フェンさんは匿名の男性がついに財宝を発見したと発表。同氏が共有した写真には、総額100万ドル(約1億1000万円)以上とみられる金や宝飾品などが詰まった銀の宝箱が写っている。
フェンさんは最期まで秘密を守り通し、宝箱を隠した正確な場所や、発見者の身元については決して明かさなかった。
フェンさんはニューメキシコ州サンタフェで生涯の大半を過ごした。ブログで戦闘機乗りとしてベトナム戦争に従軍したことを明かし、戦争を主導した指導部の道徳性に疑問を呈したこともある。
サンタフェでは美術ギャラリーを運営。友人が地元誌に語ったところによると、宝探しを仕掛けることを思いついたのは1980年代、がんの診断を受けた時のことだった。
フェンさんの訃報を受け、宝探しに参加した人たちからは次々に感謝の声が寄せられた。