米司法省、メラニア夫人の元側近を提訴 回顧録の出版めぐり
ワシントン(CNN) 米司法省は13日、メラニア・トランプ米大統領夫人の元側近ウィンストン・ウォルコフ氏を相手取り、同氏が出版した回顧録の内容は秘密保持契約違反だとする訴えを起こした。
司法省は首都ワシントンの連邦地裁に起こした訴訟で、ウォルコフ氏が回顧録「メラニア・アンド・ミー」で得た収益の没収を求めている。
同省によると、ウォルコフ氏は出版前にメラニア夫人や首席補佐官、ホワイトハウス法律顧問に原稿を提出せず、職務内容を開示する許可も得ていなかった。
これに対し、ウォルコフ氏はCNNへのコメントで「こういういじめ戦術には屈しない」「大統領と夫人が司法省を使って私の口を封じようとするのは言論の自由の侵害であり、私利私欲のために政府を不正に利用する露骨な行為だ」と強く反発。「私は業務委託契約を全て守った。ホワイトハウスが契約を打ち切った時点で守秘条項は切れている」と主張した。
ウォルコフ氏は米ファッション誌ヴォーグで大規模イベントの演出を手掛けた経歴を持ち、メラニア夫人と長年の親交があった。ホワイトハウス入りした夫人のスタッフとして真っ先に起用されたが、就任式を運営した同氏の会社への多額の支払いをめぐってトランプ一族との関係が悪化し、契約を打ち切られた。
回顧録では仕事上や夫人との個人的な会話から得た情報を詳細に明かしている。同氏は最近、夫人との会話をひそかに録音したテープも公開した。
司法省は今年6月にも、トランプ政権の国家安全保障担当大統領補佐官を務めたジョン・ボルトン氏の回顧録に対し、出版差し止めを求める訴訟を起こしたが、これは棄却された。