バージニア州知事も標的、ミシガン州知事拉致計画のグループ
(CNN) 米ミシガン州のホイットマー知事らを拉致しようと計画していたグループが、バージニア州のノーサム知事も狙っていたことが分かった。捜査に参加した連邦捜査局(FBI)の工作員が13日、法廷で語った。
ホイットマー氏らの拉致計画をめぐっては、国内テロを企てたとして民間武装組織の関係者ら13人が逮捕、起訴されている。起訴状によると、FBIは今年初めにソーシャルメディアを通じて計画を把握し、6月から工作員を送り込んでいた。
13日の予備審問で工作員が証言したところによると、6月6日にオハイオ州ダブリンで開かれたグループの会合で「新型コロナウイルス関連のロックダウン(都市封鎖)命令」を出した知事を狙う案が話し合われ、標的としてミシガン、バージニア両州の知事が挙がった。現職知事を拉致して辞めさせる作戦だったとみられる。
ホイットマー、ノーサム両氏はいずれも民主党の知事で、この春に新型ウイルス感染対策としてスポーツジムやバー、レストランなど人の集まる場所の閉鎖を命じていた。
ノーサム氏は13日、捜査中の事件にはコメントできないとしたうえで、警護要員と警察に感謝していると述べた。
知事室の報道官によると、ノーサム氏の警護チームにはFBIから情報が入っていたが、機密事項を扱う際のルールに従って本人や側近には知らされていなかった。同氏と家族の警備はかなり前から強化されていて、差し迫った危険にさらされる場面は一切なかったという。
同報道官は、トランプ大統領が4月に「ミシガンを解放せよ」「バージニアを解放せよ」とツイートしていたことを指摘。暴力をあおるトランプ氏の呼び掛けが犯行計画につながったとの見方を示した。ノーサム氏はこのツイートの直前、銃規制強化の州法案に署名していた。
これに対し、ホワイトハウスのマクナニー報道官はCNN提携局へのコメントで「大統領は白人至上主義者やあらゆる形の憎悪を継続的に非難してきた」と反論。分断をあおっているのはホイットマー氏やノーサム氏の発言だと主張した。