ミシガン州最大の郡で選挙結果を認証、共和党の検査人が一時反対
(CNN) 米大統領選の票の認証を進めるミシガン州最大のウェイン郡の開票検査人委員会は17日夜、同郡の選挙結果を全会一致で認証した。その数時間前には共和党の検査人が大都市デトロイトでの投票に問題があるとして認証に反対する一幕があった。
委員会は当初、検査人4人のうち民主党員2人が結果を認証、共和党員2人が認証に反対し、郡として結果を認証できない状況だった。共和党の検査人は選挙後の検証でデトロイトの管区に不一致が見つかったとの懸念を表明していた。
ミシガン州では民主党のバイデン次期大統領が共和党のトランプ大統領に14万8000票あまりの差をつけて勝利したが、そのうちウェイン郡での票差が32万2000票あまりと決定打になっていた。もし同郡が州全体の結果から除かれた場合、バイデン氏の同州での勝利が脅かされる可能性があった。
ただ、CNNの予測によるとバイデン氏は全米で306人の選挙人を確保しており、仮に同州の選挙人16人を失った場合でも当選は確実な状況だ。
共和党の検査人が反対したとの報道が流れると、トランプ氏はツイッターでその検査人を「勇気がある」と称賛。同州をトランプ氏勝利に覆すべきだと主張した。
委員会の会合で、ジョナサン・キンロック副委員長(民主党)は、これまで開票作業に政治的配慮が持ち込まれることを許さないことが誇りだったが、「今日ここには政治が立ち入っている」と述べ、認証をしない理由は見当たらないと述べた。
一方、モニカ・パルマー委員長(共和党)は、認証しなかった理由について「選挙人名簿を見たところ、完全で正確な情報がなかった」ためだとした。また、デトロイトを除いた同郡の地域を認証する方針も示唆していた。
こうした動きを受けて、市民からは苦情が相次いだ。全米黒人地位向上協会(NAACP)デトロイト支部トップのウェンデル・アンソニー牧師は、人口の8割がアフリカ系市民のデトロイトだけを外すのは黒人の都市を除外することであり「恥を知れ」と猛烈に批判した。