OPINION

選挙結果覆すトランプ氏の試み、その命運は8日に尽きる

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12月8日、選挙結果を覆そうとするトランプ氏の試みにとって重大な局面が訪れる/Pool/Getty Images North America/Getty Images

12月8日、選挙結果を覆そうとするトランプ氏の試みにとって重大な局面が訪れる/Pool/Getty Images North America/Getty Images

(CNN) ほとんどの年で、12月8日は大体意味のない日付だ――祝日でもなければ、すぐに思い浮かぶ歴史上のイベントの記念日というわけでもない。カレンダーに書かれた、ただの1日でしかない。しかし今年、12月8日は連邦選挙の「避難港」となる日付として刻まれている。その日をもって、無鉄砲さが増すあの取り組みが実質的に終わりを迎える。トランプ大統領とその陣営、支持者らが2020年大統領選の結果に異議を唱える錯乱した試みだ。

エリー・ホニッグ氏
エリー・ホニッグ氏

この「避難港の日」を理解し、それが我々の憲法にのっとった大統領権限の移行にとって重要であることを認識するには、少しばかり時間を逆算して考える必要がある。憲法の規定によれば、合衆国大統領の任期は1月20日の正午きっかりに終了する。その日に先立ち連邦法が定める選挙人団の正式な投票日は「12月の第2水曜日の後の最初の月曜日」。今年は12月14日がそれに当たる。選挙人が投じたこれらの票は、同月23日までに首都ワシントンに到着しなくてはならない(この規定ができた時代、電話連絡やクリック操作では長距離の情報伝達が行えなかった)。そして連邦議会が正式に選挙人投票を集計するのは1月6日とされている。

そこで「避難港の日」である。連邦法の下では、どの州であっても、正式な選挙人投票日(今年は12月14日)の6日前までに確定している大統領選の選挙人の選定は最終的なものとなり、裁判所でも連邦議会でも異議は唱えられないことになっている。言い換えれば、12月8日が来たら最後、各州の決定には事実上異議申し立てができなくなる。トランプ氏にとっても、同氏の顧問弁護士を務めるルディ・ジュリアーニ氏率いる弁護団、自称「精鋭ぞろいの攻撃部隊」にとっても無理な話となる。各州に、選挙人投票の確定を「避難港の日」までに行う義務はない――しかし、もしそれが行われれば、その決定は連邦法によって保護される。

こうした規定があるからといって、トランプ氏のチームによる無意味で絶望的な訴訟の集中砲火が突然打ち止めになるわけではない(本来そうなるべきだが)。バイデン次期大統領の選挙戦での勝利が確実になってからというもの、ジュリアーニ氏をはじめとするトランプ氏の弁護団は事実と法を考慮せず手当たり次第に訴えを起こし続けてきた。その2つこそ、法廷が問題にするものであるにもかかわらずだ。それなら、たとえ連邦法が州による「避難港の日」までの決定事項について「最終的となる」と規定していようと、どうしてジュリアーニ氏とその仲間たちが今更その法を尊重し始めるようになるだろうか?

とはいえ、「避難港」の日の到来は、そうしたかすかな希望の残り火を、残り少ない選挙結果の否定論者からも事実上消し去るだろう。そして――法的にもその他の点でも――選挙に異議を唱えるトランプ氏の弁護団による法廷での試みは最悪の状況となっている。トランプ氏の弁護団と陣営が全国で行った訴訟は、訴えて間もなく30以上が棄却や取り下げとなった。最も悲惨な点を1つに絞るのは難しいが、個人的には連邦地裁判事から「フランケンシュタインの怪物(のようにつぎはぎだらけ)」と形容されたジュリアーニ氏による訴訟を挙げたい。

こうした訴訟が終わりを迎えるのは、我が国の憲法プロセスに関心を持ち、スムーズな権限移行と法の支配を大事に思う人々にとっていいことだ。そしておそらく、トランプ氏とジュリアーニ氏、2020年の大統領選の結果を覆せるという幻想を抱いている人々にとってもいいことだろう。現実的にはしばらく前から終局を迎えており、今正式に、そして法的にも幕を閉じようとしている。

エリー・ホニッグ氏はCNNの司法アナリストで、州検事と連邦検事を務めた経歴を持つ。記事の内容は同氏個人の見解です。

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