ワクチン接種進めば来秋にも「通常の生活」に ファウチ所長
(CNN) 米国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長は30日、各州が精力的に新型コロナウイルスワクチンの接種を進めれば、米国民は来年初秋までに通常の生活に戻れるとの見通しを示した。
ファウチ所長はカリフォルニア州のニューサム知事のインタビューに答え、ワクチンの接種は当初予定より遅れているものの、遅れを取り戻すことができれば、来年の4月初めからワクチンを広範に行き渡らせることが可能だと語った。
米政府は当初、12月末までに少なくとも2000万回のワクチンを接種できるとしていたが、米疾病対策センター(CDC)のデータによれば、12月下旬の時点で供給されたワクチンは約1240万回分、接種されたのは280万回にとどまる。
ファウチ所長は「4月には希望すれば誰でもワクチン接種を受けられるようになる」「続いて精力的なワクチン接種を4月、5月、6月、7月に実施すれば、次第に目に見えて一定の免疫を獲得し、集団免疫に近づく」と予想する。
人口の70%~85%がワクチン接種を受ければ、ウイルスの感染拡大を抑え込むために必要な集団免疫を獲得できるとファウチ所長は説明。「初秋までには十分な集団免疫を獲得し、学校、劇場、スポーツイベント、飲食店などはかなり正常に近い状態に戻れるだろう」との見通しを示した。
米政権の「ワープ・スピード作戦」最高科学顧問を務めるモンセフ・スラウイ氏によると、米国では数カ月以内に新たに2種類の新型コロナウイルスワクチンが承認される可能性がある。英オックスフォード大学と英製薬大手アストラゼネカが共同開発したワクチンは30日に英国で承認され、米国では来年4月にも緊急使用が認められる可能性がある。
加えて米ジョンソン・エンド・ジョンソンのワクチンも来年2月に緊急使用が認められる可能性があり、これで状況は一変し得るとスラウイ氏は話している。