米国務長官、中国のウイグル族弾圧を「ジェノサイド」と認定
(CNN) 米政府は19日、中国が新疆ウイグル自治区のイスラム教徒や少数民族に対し、ジェノサイド(民族集団虐殺)と人道に対する罪を犯していると断定した。
米国務省のマイク・ポンペオ長官はトランプ政権最後の1日となった19日、「ジェノサイドが進行中だ。中国一党支配国家による体系的なウイグル族破壊の試みを、我々は目の当たりにしている」との声明を発表した。
さらに、「少なくとも2017年3月以来、地元当局は、ウイグル族のイスラム教徒やカザフ族・キルギス族を含む少数民族・少数宗教に対する数十年に及ぶ弾圧を、劇的にエスカレートさせた」と述べた。
米国務省は以前、最大200万人のウイグル族やイスラム系の少数民族が、同地の強制収容所で拘束されているとの推計を発表していた。
中国の新疆ウイグル自治区のカシュガル地区=2017年6月27日/Kevin Frayer/Getty Images AsiaPac/Getty Images
これに対して中国は、新疆ウイグル自治区での人権侵害を否定。再教育キャンプは宗教過激派やテロ防止のために必要だと主張してきた。
新疆ウイグル自治区の人権問題は、米国では超党派の問題とされている。しかしトランプ政権が終わる間際に発表が行われたことで、中国に対する次期政権の対応が一層複雑化する可能性もある。
バイデン次期大統領が国務長官に指名したアントニー・ ブリンケン氏も19日、ジェノサイド認定に同意すると表明した。
ポンペオ長官は声明の中で、「新疆で進行中の残虐行為に関する調査と情報収集を継続し、この証拠を法の許す範囲内で適切な機関や国際社会に提示するよう国務省に指示した」としている。