共和党の元公職者120人、中道右派の新党結成を議論
(CNN) 共和党の元公職者約120人が新たに中道右派の政党を作る可能性について議論していることがわかった。トランプ前大統領の影響下にある党の方向性や2度目の弾劾(だんがい)裁判での無罪予想に不満を持つ参加者が集まった。
会議に参加したチャーリー・デント元下院議員(ペンシルベニア州選出)がCNNに確認した。会議は5日に開かれ、新党を結成すべきか、または党内に新党派を作り共和党から独立して活動すべきか話し合ったという。
デント氏は「私や他の共和党指導者と同様、トランプ氏との決別を望む多くの共和党員がいる。真実、誠実、民主主義、法の支配といった中核となる基本原則の下に結集しようとしている」と述べた。
会合はビデオ会議システム「ズーム」を使って開かれ、トランプ、ジョージ・W・ブッシュ、ジョージ・H・W・ブッシュ、レーガンの各政権で公職に就いていた人々が参加した。
デント氏はCNNに対し、トランプ氏が弾劾裁判で無罪となって責任を問われず、今度は有罪票を投じた上院議員や弾劾訴追に賛成した10人の下院議員をこき下ろすような事態を恐れていると語った。
デント氏によると、共和党員らは現職下院議員のリズ・チェイニー(ワイオミング州)、アダム・キンジンガー(イリノイ州)、フレッド・アプトン(ミシガン州)の各氏や上院議員のミット・ロムニー氏(ユタ州)を中心に結集するのがよいと考えている。こうした議員は「真実や主義のために立ち上がり、決別してこの党を違うものにしたいと望んでいる」とデント氏は話す。
トランプ政権下でホワイトハウス広報部長を短期間務めたアンソニー・スカラムッチ氏も議論に加わっていたことを認めた。
スカラムッチ氏は「この3~4日間で起きたことは非常に大勢の人々を結集させたと思う」と述べ、もし共和党の上院議員がトランプ氏に有罪宣告を下さなければ「党は2つに分かれるだろう」「党は薄まり、完全に弱くなる」との見方を示した。
また、「共和党員の5~20%が分かれ、新党をスタートさせるだろう」「民主党にも協力的な中道右派の政党になる。極右の無意味な言動は清算する」とも述べた。
会議を組織した団体「スタンダップ・リパブリック」のエバン・マクマリン事務局長や前述のデント氏は、参加者は新党の結成か、党内での新党派結成かで分かれていると認めた。
マクマリン氏は、議論は「党の方向性を変えるのを助ける何か、または直接党に対抗する何か新しいものを作ることが焦点だった」と説明。新党派が結成される場合は独自の共和党候補を立て、場合によっては民主党候補を支援することもあると述べた。
もし次回2022年の中間選挙で、アリゾナ州の現職民主党上院議員マーク・ケリー氏が、同州共和党委員長でトランプ氏に同調する強硬派のケリ・ウォード氏と対峙(たいじ)する場合は、ケリー氏を応援するだろうと語った。
マクマリン氏は2016年の大統領選に無所属で出馬した経歴の持ち主。現在の共和党はトランプ氏の大きな影響下にあると認識しており、「我々の数が増えているという事実はとても心おどることだ」と述べた。