次期米太平洋軍司令官、中国軍増強に警鐘 台湾有事「大方の想定より近い」

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米インド太平洋軍の次期司令官に指名されたアキリーノ海軍大将=23日/Tom Williams/CQ Roll Call/Getty Images

米インド太平洋軍の次期司令官に指名されたアキリーノ海軍大将=23日/Tom Williams/CQ Roll Call/Getty Images

香港(CNN) 米インド太平洋軍の次期司令官に指名されたアキリーノ海軍大将は23日、中国は台湾を軍事的に圧倒することを目的に兵器やシステムを急速に増強しており、6年以内に軍事行動を起こす可能性があると警鐘を鳴らした。

アキリーノ氏は上院軍事委員会の指名承認公聴会で、「私の意見では、この問題は大方の想定よりも間近に迫っている」と指摘。中国は台湾に対する完全支配の確立を「最優先課題」に位置付けているとの見方も示した。

太平洋軍現司令官のデービッドソン海軍大将も今月の議会証言で、中国は6年以内に台湾を武力奪取する準備を整えている可能性があると述べていた。

アキリーノ氏は今回、中国政府について、米国側の予想よりも早く中国共産党の目標を達成するために武力を行使してきた前例があると指摘。インド国境や香港、新疆ウイグル自治区を例に挙げ、「我々はこうした出来事を目にするとは想定していなかったと思う。私が事態の切迫感について言及し続けているのはそれが理由だ。今すぐ準備すべきだ」と述べた。

アキリーノ氏は、中国がいつ台湾の軍事奪取を試みる可能性があるのか正確な時期は示さず、自らの主張を裏付ける新たな証拠もしくは具体的な諜報(ちょうほう)も挙げなかった。

中国本土と台湾は1949年の内戦終結以来、別々の政府によって統治されているが、中国政府は台湾の正式な独立を決して容認しない考えを表明。必要なら武力行使も辞さないとしている。

ただ、中国は自国の軍隊は防衛的な性格だと強調しており、2019年の国防白書では「中国の国防の発展は安全保障上の正当な必要性を満たし、世界の平和勢力の増大に寄与するものだ」と述べていた。

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