米国で多発するアジア系住民襲撃 識者の見解は
AAPI(アジア・太平洋諸島系)プログレッシブ・アクションの議長であり、アジア系米国人健康研究センター(AARCH)の所長を務めるトゥン・グエン氏は、アジア系米国人は「目立たせないという人種差別を受けている」と言う。
グエン氏は、あらゆる事象からアジア系米国人が目立たぬ存在であることが分かるという。相対的少数者の成功により他のサブグループが感じる明らかな不平等が隠れてしまうという「モデルマイノリティー(見本となる少数派)」の俗説もその一例だ。
アジア系米国人は不利益を被ることのない部外者とのイメージによって、彼らは許容可能な標的とみなされ、さらにそういったイメージがここ1年間に見られた一連の暴行事件の一因となっている、とグエン氏は指摘する。
声を上げる若者たち
アジア系米国人に対する暴力への関心が高まっている点についてはさまざまな要因が考えられる、と専門家らは指摘する。
1つは、米国育ちの若い世代のアジア系米国人は、米国に移住してきた彼らの両親がかつてそうであったように、沈黙するつもりはないということだ。
バルガス氏は「年配の両親、叔父、叔母、祖父母は黙っているかもしれないが、彼らの子ども、おい、めい、孫たちは黙っていない。なぜならわれわれはオンラインで活動しているからだ」とし、さらに「われわれはハッシュタグの使い方を知っている」と付け加えた。
ソーシャルメディアによって、人々を動揺させるような暴力事件の映像を誰もが視聴可能になり、その映像が広範囲に広まる一方で、より多くのアジア系米国人ジャーナリストたちもそれらのニュースの拡散に一役買っている。