米議事堂襲撃事件後に死亡の巡査、「脳卒中による自然死」と検視局 専門家から異論も
ワシントン(CNN) 今年1月の米連邦議会議事堂襲撃事件に対応した議会警察の警官が翌日死亡した問題で、首都ワシントンの検視局長は21日までに、死因は脳卒中による自然死と断定した。これに対し専門家からは、事件の経験が体調に影響を及ぼしていたとする指摘が相次いでいる。
死亡したのは議会警察のブライアン・D・シックニック巡査。当初議会警察は声明で、同巡査が「勤務中に負ったけがのため死亡した」と発表していた。
しかしワシントン・ポストが最初に報じたところによると、フランシスコ・ディアズ検視局長は同巡査について、身体内部の損傷も外傷もなく、化学物質を噴霧されたことによるアレルギー反応を示す証拠も一切認められなかったと述べた。ただ、1月6日の事件が巡査の健康状態に影響を与えたとの見方も示した。
検視局は「自然死」の用語について、病気だけが死の要因となったケースと定義。仮に負傷によって死が早まったのであれば、それは自然死とは見なされないとしている。
議事堂に乱入した暴徒のうち逮捕された2人は、シックニック巡査を含む警官3人に向けてクマよけのスプレーを浴びせたとされる。
検視局長の発表によれば、同巡査がスプレーを浴びたのは事件が起きた1月6日の午後2時20分ごろ。その後、同日午後10時に倒れ、病院に救急搬送されたが、翌日の午後9時半ごろに死亡した。
シックニック巡査に何らかの基礎疾患があったのかどうかについて、検視局は明らかにしていない。
複数の専門家はCNNの取材に答え、脳卒中が精神的にショックを受けた状態に続いて起こり得るものだと指摘する。