オバマ氏が共和党批判、20年大統領選めぐる「虚偽を受け入れた」
(CNN) オバマ元米大統領は7日放送のCNNの単独インタビューで、共和党の現状について、5年、10年前には認識も許容もできなかった立場を受け入れざるを得なくなっているとの見解を示した。
インタビューはオバマ氏の最新の回顧録「約束の地」が昨年後半に出版された後実施された。オバマ氏はこの中で、自身の在任中に共和党内で広がり始めた「暗い精神」がこれほど暗さを増し、党の中枢に達するとは思ってもいなかったと語っている。
オバマ氏は「懸念しなくてはならない状況だ」と述べ、「我が国の主要政党のひとつが5年、あるいは10年前には認識も許容もできなかった考え方を受け入れようとしている」と指摘した。
その最も明らかな例として、オバマ氏は1月6日に発生した米議事堂襲撃事件に言及。今では「議員の大部分が選挙に問題があったという虚偽の主張に賛同している」と指摘した。
トランプ前大統領の支持者による議事堂襲撃の当日、議会では共和党議員147人が、主要州での民主党候補バイデン氏の勝利を認めない票を投じた。トランプ氏は自ら、2020年大統領選が盗まれたという虚偽の主張を展開し、その後は共和党員による根拠のない選挙結果の監査を後押ししている。
議事堂襲撃後、共和党指導者が一時的にトランプ氏に反旗を翻したことについて聞かれると、オバマ氏は「そして突然、みな元の立場に戻ってしまった」と指摘した。
その理由については、共和党の支持基盤が大統領だけでなくメディアからも虚偽の主張を吹き込まれ、信じ込んだためだと説明。そのうえで、「潮目が変わることを願っている。しかしそのためには、民主主義の実験が自動執行されるわけではないこと、自動的に進むわけではないことを我々一人ひとりが理解する必要がある」とした。