機内で暴れる乗客が急増、事案報告3000件超す 米航空当局
(CNN) 米連邦航空局(FAA)は14日、旅客機の機内でトラブルを起こした乗客に関する報告が3000件を超えていることを明らかにした。その大半は、マスク着用を義務づける規定に関係した事案だった。
問題行動や暴力行為が報告された事案のうち2300件は、機内でのマスク着用を義務付ける連邦当局の規定に従うことを拒んだ乗客が絡んでいた。
最近では米デルタ航空便に搭乗していた非番の客室乗務員が、機内放送を勝手に使い、客室乗務員2人に暴行したとして取り押さえられた。
FAAによると、これまでに報告された3000件のうち、465件は連邦規定違反の疑いがあるとされ、57件について執行措置を開始した。例年であれば、乗客のFAA規定違反に対して措置を講じる件数は多くても150件前後。
FAAのスティーブ・ディクソン長官は今年1月、事案報告の急増を受けて、乗客による不法行為は一切容認しない方針を表明。当局は初めて、乗客が機内で暴れるなどした事案の報告件数の統計を取り始めた。
23件の事案については詳細を公表し、総額40万ドル(約4400万円)以上の罰金が提案されていると発表した。
罰金の額がもっと大きかったのは、5月に事件を起こした男性乗客に対する5万2500ドルの罰金だった。この乗客は、コックピットのドアを開けようとし、乗員の指示に従わず、男性客室乗務員の顔を殴って床に押し付けたとされる。いったん取り押さえられたものの、手錠を振りほどいて再び男性客室乗務員の顔面を殴っていた。